ヨシ原・藻場・マングローブ林など沿岸植生群落場の水理

沿岸植生群落場の水理


 ヨシ原、藻場、マングローブ林などの沿岸植生は、魚や海岸小動物への棲みかの提供、 水質の浄化作用、野鳥の来襲を含めた景観効果など、様々な環境上の長所を有している。
 沿岸植生は波を減衰させ、群落場に底泥を堆積させるので、この水理機能を利用すれば、 護岸などの人工構造物を用いなくとも背後地の保全に役立たせることができる。沿岸のマングローブ林や 海岸林を、津波エネルギーを緩和する防災グリーンベルトとして活用することも考えられている。
 一方、植生も生物体であるがために、気温、水温、風、波浪などの環境条件の変動を受けやすく、 それによって水理機能も低下する。すなわち、外力である波の季節変動と繁茂密度をはじめとする 生体活動の季節変動を包含した上で、植生と波浪、地形変化の動的相互作用を考察する必要がある。
 河川工学においては、河川内の水辺林や河畔植生の積極活用と治水面への考慮が研究されている。 本研究では関連分野の動向を視野に置きつつ生体海岸環境学への発展を目指したい。