長期・広領域の海浜変形機構 長期・広領域の海浜変形機構

 各地で顕在化している海岸侵食の大きな原因の一つは、ダムの堆砂や河床の砂利採取、河岸の護岸化 がもたらす河川からの流送土砂量の減少である。山地・河川・海岸を統合した流域の土砂動態の把握と 適正管理は、21世紀を迎えた土木工学が戦略的に取り組むべき主要課題の一つであり、こうした観点 から沿岸域の広域土砂収支、長期変形予測がなされなければならない。
 本研究が対象とする現象は広範ではあるが、人工衛星を活用した測量システムの高精度化、微地形まで分解さ れた空間情報インフラの整備を援用すれば、研究が進展する素地は十分と思われる。
 本分野の研究が進展すれば、コンクリート製の海岸構造物を次々と投入して自然の海岸環境、景観を台無しにする 従来の海岸「保全」手法から、長期・広領域の土砂管理エンジニアリングへと置き換わって行くであろう。