津波・高潮の伝播・氾濫シミュレーション 津波・高潮の伝播・氾濫シミュレーション

 スマトラ沖地震津波の規模と被害の大きさを目の当たりにして、数ある海岸災害の中でも津波災害は最も恐ろしい ものと感じる人は多いと思う。
 津波対策として、津波防潮堤・津波防波堤などを海岸に建設して背後の市街を防御する方法が従来からとられた 有力な対策である。津波防潮堤は防御地域の前面に建設され背後地への浸水を直接阻止するが、天端高が高くなると 日照・景観・沿岸用地不足など日常生活に支障を来す恐れがある。津波防波堤は大水深域に長大な範囲で建設する必要 があり、わが国の財政状況を考えればどこにでも建設できるものではない。
 一方、津波情報システム・避難システム・救命救助活動などソフトな対策は、経費が少なくて済むわりには 有効な対策と言える。こうした防災システムを支えるのが、津波の来襲時間や来襲波高分布、堤防越流後の氾濫挙動、 浸水深の分布などを予測する津波の氾濫シミュレーションである。こうしたコンピュータシミュレーションは 高潮による氾濫にも応用できる。
 現代の沿岸域は、資産・人口・産業が高度に集積され、地下街のように多数の利用者が行き交う地下空間が形成され ている。したがって現代の都市域は津波・高潮・河川災害等に対する脆弱性が高くなっていると言える。 本研究は、最新の数値計算技術によって、津波・高潮・河川氾濫などの再現シミュレーションを行い、ハザードマップの 作成や避難態勢の整備といった実際の防災対策に資することを目的とする。